料理に合わせたアングル決め

こんにちは。料理写真家の岡本です。


皆さんは、写真を撮る時に、構図やフレーミングで悩んだことありませんか?


構図やフレーミングは、風景を撮るにしても、人を撮るにしても、そして勿論


料理を撮る時にも、撮影者の意図を表すために、絶対に必要な要素です。



構図を決める時、まず僕は、被写体をどんな風に伝えたいかを考え、


被写体を観察することから始めます。


(仕事の時は、先にクライアントと打ち合わせをしてイメージを共有しておきますが。)


そして、ある程度イメージが膨らんだら、

被写体を引き立てる背景や


前景に配慮しながら、ベストアングルを探します。


被写体が、人や物、料理である場合は、背景や前景、


光が美しく当たるところに誘導、移動します。



逆にスペースに限りがあるなどの理由で、被写体が動かせない場合は、


撮影者側が動き、写します。


アングルと構図って、似てるけど根本的に違います。



身近なところ?で言うと、女性の上目遣いですね。


上目遣いの女性に弱い男性は多いと思いますが、


それは、自分より低い位置にいる女性から見つめられるからです。


もしも自分より高い位置に女性の顔があった場合、下目遣い。。?


見下される形になってしまいます。


作品の狙いにもよりますが、日常的に好まれるのは上目遣いの方でしょう。


普通のことですが、これがアングルであり、


今いる位置から構図をいくら変えようとしても、絶対に得られない


絵作りという作業の一部です。


「上手なアングルの転換は、見る人を楽しませます。」



テレビドラマを見ていると、様々な心境の変化を


アングルによって切り替えたり、


ほんの少しの映像を見せることによって、


次に何が起こるかを想像させます。


もしも同じ方向から撮ったものを


60分間見せられたら、


あなたは飽きてしまって、途中でチャンネルを変えてしまうと思います。


スポーツ番組でもそう。


サッカーのシュートシーンひとつ取っても、何パターンもアングルがあり、


同じシュートシーンのリプレイに、ファンは釘付けにされます。




料理にも美しく見えるアングルが存在します。



一般的には、食事をする時にいつも見ている視点。


斜め45度からの目線で、料理を見下ろすと


美味しそうに見えると言われています。


一流の料理人が作る料理だと特にそうで、


料理の前・後ろがしっかりと定められていて、


料理が美味しく見えるように、盛り付けが施されているからです。


ただ、


それをどう撮るかは、撮影者の意志。


仕事としてカメラマンとして求められるのは、


クライアントのイメージに近づけるための工夫です。


料理を撮る際、基本的なアングルとしては三点。



①斜め上からのアングル

そのままの「美味しそう」が伝わる王道のアングル。


一品物の撮影。店舗のメニュー表に分かりやすく


料理を掲載したい場合に向いているアングルです。


斜めの角度は、少しの上下でテカリが移動するので、


光の反射や食材の見え方に注意しながら撮りましょう。


②テーブル目線

(平行に近づいたアングル)

文字入りの商品撮影や、飲み物の撮影、


高さのある料理撮影などの多くは、このアングルで撮影されます。


この写真では、5種類のワインを一度にPRするために


横位置の構えで撮影しましたが、


高さがあるものを撮る時は、縦位置の構えで撮影する場合が多いです。


ハンバーガーなどは、この目線からが具材の全体的な内容を分かりやすく見せることが出来ます。



③俯瞰(上からのアングル)

俯瞰の写真はSNS映えするし、若者にも人気ですね。


高さが変わらないものが並んでいる場合は、


絞り(F値)をそこまで気にする必要もなく、


カメラは勿論。スマホでもてっとり早くお洒落に撮影できます。



料理に使う食材や調理器具、調理手順のワンシーンを撮る時にも


俯瞰で撮ると、全体の収まりが良くて


多くの情報を一度に伝えられて便利ですね。



逆に、周りに演出する小道具がない場合はシンプルに


器だけや、器+箸などで


歪みのない綺麗な構図を意識する


写真の完成度も高くなります。




写真の完成をイメージすることはとても大事ですが、


いきなりイメージしろと言われても難しいものです。



まずはお手本になるような写真を探してみましょう。


テレビに雑誌、看板、インターネット。


アンテナを張れば、お手本は街の至るところに溢れています。





ある程度撮ることに慣れてきて、自分だけのオリジナル作品を撮りたくなったら、、


まずはヒントとして、テーブルコーディネートの基本的な7つのスタイルを


意識に加えてみると、絵作りが楽しくなるかもしれませんよ。



○クラシック

重厚・豪華・英国調・暖色・茶色系・ワイン色・ダークグレー・ゴールドなどのシックなカラーで格調高いダンディな雰囲気。


○エレガント

豪華なグレイッシュカラーでまとめ、シルク・スエード・高級陶磁器など上品な素材を利用する。


モダン

都会的・クール・シンプルなデザイン・無彩色の白黒グレー・質感は石・ガラスなどの低い温度で硬い感触。濃い赤などはっきりとした色で現代的なイメージに。


クロスオーバー

民族色の強いスタイル。異なる文化をセンスよく配合する。


カジュアル

気取らずくつろいだ明るいイメージ。

賑やかな原色・木綿など普段使いの素材。


ナチュラル

自然な素材や植物など。緑・ベージュなどのグラデーションで。


ロマンチック

白・ピンクなどのパステル系の色。

レース・フリル・ドレープ・シフォン・白木など柔らかなイメージ。


(※フードスタイリスト検定2・3級参考)




演出には経験値やセンスが要りますが、


自分で考えて、自分の思う様な写真が撮れた時の喜びは、格別です!


カメラ技術と一緒に、是非演出の方も意識してみてください ^ ^

料理写真家の出張撮影 | 岡本 光城

兵庫・大阪・京都(関西)を中心に、料理写真の出張撮影を承ります。 料理写真が必要なお客様に向け、高品質かつ低価格での撮影サービスを展開。ご好評いただいてます。 メニューブック、広告、ホームページ作成etc、料理写真が必要な飲食店様など、お気軽にお問い合わせください。 元繁盛店経営(飲食業)の経験から、ブログにてお役立ち情報も公開中!

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