昔話ですが、
僕はとある老舗人気旅館で働いた事があって、そこの女将がこんな話をしてくれました。
お客様がお帰りの際は「ありがとうございましたー!」ではいけません。
それではお客様を追い払っているようなものです。
語尾を伸ばして追い払わない。
「ありがとうございました。」と、くくった後に「またお越しくださいませ。」や「お気をつけてお帰りくださいませ。」など、親しみの想いを込めて付け添えること。
たったそれだけで、お客様は気持ちよくお帰りになるものです。
すごく簡単なことですが、とても重要なことだと思いました。
ひとつの言葉。ひとつの動作に想いを込めるのが接客業。
日常の中でも、
帰ってきたら、ただいまの声。
何か渡すときには目を見て渡す。
ごみはゴミ箱に。
小学生が習うような当たり前の習慣。
簡単だけどとても大切な習慣で、日々の些細な場面場面で想いを込めるからこそ、心の豊かさが耕されるんだと感じました。
なんだか毎日同じ料理を作っていて面白くないな。とか
毎日同じようなお客様しかこないじゃないか。とか
そうボヤくのは、もしかしたら些細な繰り返しの作業。
目の前の一つや、一人を大事にできていないからかもしれません。
毎日食べに来てくれるあのお客様のために、昨日よりも美味いと言ってもらおう。昨日と同じように美味いと思ってもらおう。
初めて見るお客様だけど、うちの料理と最高のもてなしで気持ち良く帰ってもらおう。
料理や接客は、ただ提供すればいいものではありませんよね。
普通に働いてると、毎日が普通に終わってしまうものです。
あと一歩の想いやり。それを持って日々サービスを提供しましょう。
ギブアンドテイク。与えることで満たされる何かがきっと返ってきますよ(^^)
今日も最高の一日に。
料理写真家 岡本 光城
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